家を建てる前に知っておきたい「地鎮祭」「上棟式」について
多くの人にとって、人生に1度経験するかしないかの「地鎮祭」や「上棟式」。聞いたことはあるものの、いざ自分が家を建てるとき「どこにお願いするの?なにを準備するの?費用は?」と不安な方も多いのではないでしょうか?今回は、そんな「地鎮祭」と「上棟式」の疑問について詳しく解説していきます。
地鎮祭とは?
地鎮祭とは、建築工事の安全と無事に完成することを祈願する儀式です。準備は施工会社がすることがほとんどで、指示に従っていれば無事に終えることができます。必ず行わなければいけないものではなく、内容や規模も施主が決められます。
地鎮祭の目的
昔から日本では、それぞれの土地には神様がいるという考えを信仰してきました。その考えを受け継ぎ、いまでも多くの建物において建築工事をはじめる前に行っています。
神主を招いて施主や工事関係者が参列し、その土地を守る神様に対して「土地を使わせてください」「安全に工事をさせてください」と許しを請い、その土地に住む家族が安全に暮らしていけるよう祈願する儀式です。
最近は「コスト削減したい」「共働きで予定をあわせにくい」という理由から、お祓いのみや施主が塩をまいて済ませるなど簡略化するケースも。工務店に要望をあらかじめ伝えて、内容や規模を話し合っておくと安心です。
地鎮祭を行うタイミング
地鎮祭は施主が土地を購入し、工事に着工する前のタイミングで実施します。冠婚葬祭と同じく、「大安・先勝・友引」といった縁起の良い日に行われるのが一般的です。
地鎮祭にかかる費用は?
地鎮祭にかかる費用は大きく分けて3つ。現場諸経費に含まれており、追加費用はほとんどかからないケースが多いです。
①神主への祈祷料(謝礼):2~5万円
地域や神社により、お納めする金額も変わります。のし袋の表書きは“初穂料”あるいは“玉串料”仏式なら“お布施”とし、式の終わったあとに渡します。
②お供え物:5千~1万円
米やお酒など施主が準備するケースもありますが、神主や建築会社(ハウスメーカー・工務店)が用意してくれる場合もあります。
③近隣への粗品:1個あたり500~1,000円
地鎮祭が終わったら、近隣の方にあいさつ回りをします。ひとつ500円〜1000円くらいのタオルや日用品、お菓子を渡しますが、これも施工会社が用意してくれることが多いです。
上棟式とは?
上棟式とは、無事に棟上げ(柱や梁などの骨組みの完成)まで進んだお祝いと、大工さんの労をねぎらい感謝を表すための式です。
上棟式の目的
「棟上げ」とは、建物の柱や梁などを組み立て、最後に屋根の一番高い位置に「棟木(むなぎ)」という横架材を取りつけること。
現在のような重機がない時代には、大工さん総出で一日がかりで作業をしていたので、その労をねぎらう意味もあり、上棟式を行ったそうです。
いまでも、骨組みをつくりあげるのに、たくさんの大工さんや工事関係者の協力が必要。そのため上棟できたことを施主と工事関係者とでいっしょにお祝いし、コミュニケーションを図る機会にもしています。
最近は上棟式を簡略化したり、式自体を行わないケースも。上棟式の準備は現場監督などが進めますが、式を行うかどうかは主催者である施主の判断でOKです。
上棟式を行うタイミング
上棟式を行うのは、棟上げ(屋根の一番高い位置に棟木を取り付ける)のタイミング。地鎮祭を終えて基礎工事がはじまり、棟上げを行うまで大体1か月前後の期間があります。
地鎮祭と同様に、「大安・先勝・友引」などの縁起の良い日に日程を組むのが一般的です。希望の日程がある場合は、早めに担当者に相談しましょう。
上棟式にかかる費用は?
上棟式にかかる費用は大きく分けて3つです。
①お供え:5千~1万円
酒・お米・塩・果物・野菜などを施主が用意します。施工会社が手配したり、お供えセットを購入したりすることも。
②宴会の飲食
昼食として仕出し弁当を準備したり、オードブルやお菓子、飲み物などを手配したりします。費用は人数や用意する内容によるので、参加人数を確認しておきましょう。
③ご祝儀
上棟式では、感謝の気持ちをこめてご祝儀を渡す風習があります。金額は、地域によってさまざまです。心配であれば事前に担当者に確認してみましょう。
(例)
・棟梁や現場監督:1〜3万円程度
・職人やその他関係者:3千円〜1万円程度
まとめ
地鎮祭や上棟式は必ず行うものではありません。しかし、式を通してつくり手側とコミュニケーションを取れるのは注文住宅ならでは。「するかどうか迷っている」「規模や内容はどうしよう」とお悩みの方は、担当者にご相談くださいね。