収納は多ければ安心って本当?4つのポイントから考える実用的な収納計画
こだわりの注文住宅を建てるなら、すっきりした空間で快適に暮らしたいですよね。
そのために大切なのは、なんと言っても収納の計画です。
収納は、ただたくさんあればいいというわけではありません。
暮らしに合わない収納の計画をすると、限られたスペースの無駄づかいになってしまい、家が散らかる原因になることもあるのです。
今回は、注文住宅を計画する際に知っておきたい、実用的で本当に使える収納の考え方についてお伝えします。
家はなぜ散らかってしまうのか?
そもそも、なぜ家は散らかるのでしょうか。
家が散らかる原因としては、次の4つのことが挙げられます。
・物が多い
・物をしまう場所が決まっていない
・適した場所に収納がない
・収納が使いづらい
すっきりして散らからない家を作るためには、これらの問題を解消し、必要な時に必要な物をすぐに取り出せる収納を考えることが大切です。
物はしまうためではなく、使うためにあります。
使うときに、使いたい物が、使いやすい場所にあるか。
物によって適した収納場所や収納方法があることを理解して、実用的な収納づくりを目指しましょう。
4つのポイントから本当に使える収納計画
住まいの収納を計画する際には、次の4つのポイントを抑えて計画を行います。
①新居に持って行く物を明確にする
②部屋ごとに収納するものを明確にする
③物を使う頻度を知る
④収納を計画する
順番に詳しく確認しましょう。
① 新居に持って行く物を明確にする
まず、現在の住まいにどれだけ物があって、新居に引っ越す際には何を持って行くのか?ということを明確にします。
家は、住む年数を重ねるごとに物が増えて行くものです。
間取りを計画する段階で、今の住まいにある物を明らかにして、新居に持っていくものを明確にし、リストアップしておきましょう。
この作業を行っておけば、引越しの際にも役立ちますよ。
リストアップする際には、できる限り次の情報も記載してください。
・大きい物や家具と家電の奥行き・横・高さの寸法
・本は大まかな冊数と一番大きい本のサイズ
・雛人形やこいのぼり、クリスマスツリーなどの季節物は収納時のサイズ
・コレクションや趣味の物がある場合は収納方法の注意点
住まいの収納を考えるプロの設計士でも、施主の家にどれだけの量のどんな物があるのかという全容まで把握することは不可能なので、この情報はぜひ共有してくださいね。
伝えにくい場合には、直接計測やリストアップを依頼したり、写真を撮って見せることもおすすめです。
②部屋ごとに収納するものを明確にする
新居に持って行く物が決まったら、どこの部屋に何を収納するのかを振り分けましょう。
間取りが決まっていない場合は、欲しい部屋をイメージして部屋名を書き込みます。
雛人形→屋根裏収納
文房具→リビング
衣類→寝室近くのウォークインクローゼット
掃除機→廊下の収納
タオル→洗面室
という具合です。
間取りが決まっている場合は、間取り図に書き込みましょう。
間取りが決まっている場合には、家具の配置計画も一緒に考えるとイメージしやすいですよ。
振り分けることで、その部屋に必要な収納の量や、住まい全体に必要な収納が見えてきます。
この情報についても、必ず設計士と共有してください。
③ 物を使う頻度を知る
物を振り分けたところで、物を使う頻度について考えます。
使う頻度は、3段階くらいに分けると良いでしょう。
例えば、毎日使うものが段階Aとします。
1ヶ月に数回程度使う物が段階B。
1年で数回程度使うものや、しまっている期間が長いものは段階Cとします。
一般的な家庭の場合、具体的には次のように分けることができるでしょう。
・段階Aのもの
食料品、洗面道具、掃除道具、キッチンツール、文房具、衣類、靴、鞄、子供の勉強道具、生活家電、布団など
・段階Bのもの
レジャーグッズ、趣味のもの、工具、冠婚葬祭用品、本、お出掛け着、ストック品など
・段階Cのもの
思い出のもの、季節もの、旅行用品、防災備蓄など
それぞれの使用頻度を分析すると、その部屋に必要な収納のタイプがなんとなく見えてきますね。
④収納を計画する
「②部屋ごとに収納するものを明確にする」 と、「③物を使う頻度を知る」 の作業をもとに、それぞれの部屋に必要な収納を計画します。
・段階Aの収納計画
段階Aの物は、日常的に使うものですから、あらゆる部屋に点在することになります。
一般的な住まいで散らかりやすいのは、圧倒的に段階Aのものです。
散らかる理由は、先ほどお伝えしたように、使いたい場所に使いやすい収納がないからでしょう。
日常的に使うものが、必要な時に便利に取り出せるように意識して日常的に使う物のための収納を計画しましょう。
具体的には、次のような計画がおすすめです。
・奥行きの狭い収納
・引き出し
・オープン棚
・吊るす収納
・クローゼットの手前側の収納
・間仕切り壁を利用した壁埋め込み収納
・段階Bの収納計画
段階Bの物は、日常的には使いませんので、ある程度まとめて収納してもいいでしょう。
物の所在が把握しやすく、取り出しやすい計画をしましょう。
・奥行きのある収納
・クローゼットの手前側の収納
・ウォークインクローゼット、納戸
・段階Cの収納計画
段階Cの物は、暮らしの中で何かあった時に使うものです。
とは言え、忘れ去られない場所で、必要な時に取り出せることを意識して計画しましょう。
・クローゼットの奥
・ウォークインクローゼット、納戸
・床下収納
・天袋
・小屋裏収納
本当に使える収納の計画方法について、4つのポイントからお伝えしました。
散らからない快適な住まいを実現するために大切なのは、物に明確な居場所を作ってあげることです。
早い段階から、物の量・収納する場所・使用頻度を分析することから始めてみてください。
HAUS365では、建築家が暮らしに寄り添った住まいをご提案します。
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