二世帯住宅は生活音が気になる?防音対策に効果的な間取りとアイデア
二世帯住宅に住み始める前は「多少の生活音なら気にならない」と思っていても、実際に住んでみると騒音に悩まされる人は多くいらっしゃいます。
「親は早朝に起きるからゆっくり寝られない」「子どもの話し声や走り回る音でくつろげない」など音に関するトラブルを少しでも緩和するためには、防音の家づくりがおすすめです。そこで今回は、二世帯住宅の防音対策について考えていきます。
二世帯住宅で防音対策が必要になる理由
まずは、なぜ二世帯住宅では防音対策が必要なのか確認しましょう。主な理由は2つあります。
生活リズムが違う
親世帯と子世帯が一緒に暮らすことになっても生活スタイルはバラバラ。親世帯が就寝する頃に子世帯がお風呂やキッチンを使うと、水の流れる音や歩く音が気になって寝付けないなんてこともあるかもしれません。生活空間をわけていても同じリズムで過ごしているわけではないので、家庭内で騒音トラブルに発展することもしばしば起きるでしょう。
日常の音がストレスの原因に
二世帯住宅の多くの騒音問題は水回りの使用音ですが、それ以外の音でもストレスを感じる場合があります。たとえばドアや窓の開閉音。「ガチャ」という音がでると同時に振動も伝わるので、デリケートな高齢者や子どもはびっくりしてしまいます。ただ歩いているだけ、トレーニングしているだけでも意外と音は聞こえているものです。
二世帯住宅の完全分離型の間取りパターン
二世帯住宅を完全分離する場合、「上下分離型」と「左右分離型」があります。それぞれの間取りの良いところと注意点をみていきましょう。
上下分離型
上下分離型は、1階と2階で生活空間をわけて過ごす方法。マンションのような暮らし方ですが、音のトラブルがもっとも起こりやすい間取りでもあります。1階リビングの上がお風呂だったり2階トイレの下が寝室だったりすると、水の流れる音がどうしても気になるもの。
配管に吸音材を巻いて施工することもありますが、効果的な方法はお風呂の上はお風呂、トイレの上はトイレと水回りの位置を上下あわせることです。水回りを1箇所にまとめることで、メンテナンスがしやすく施工費を抑えられるようにもなります。
左右分離型
左右分離型は、外観はまるで1戸に見えますが生活空間を左と右でわけているので、排水音や足音など生活音があまり聞こえないのがメリットです。
間取りを好きに計画できるのも左右分離型の魅力。玄関近くに水回りを配置する、リビングと水回りをつなげるなど、親子で間取りが違えば行き来も楽しくなるでしょう。
二世帯住宅の防音対策におすすめな方法
間取りを考慮することも大切ですが、細かい部分の防音対策も必要です。上下分離型の二世帯住宅にする場合は、特に参考になると思うのでチェックしてみてください。
二重床にする
木造住宅に用いる二重床とは、床板を二重に張る方法のこと。軽量コンクリートのパネルを使った工法と同じくらいの遮音性が期待できます。
二重床の嬉しいポイントは部分的に取り入れられること。二階全室に施工するとコストもかなりかかるので、過ごす時間が長いリビングや遊びや運動をする子供部屋にだけ二重床にするのもいいでしょう。
床の遮音性を高める
二重床や遮音等級の高いフローリングを使うと床の防音性は高くなりますが、高額な費用が必要になってきます。予算の問題でフローリングが難しい人は、コルクタイルや畳、カーペットを取り入れてみましょう。コストを抑えられると同時に、メンテナンスもしやすい内装材です。
ドアに消音器具をつける
ドアを勢いよく開閉すると「バン!」と大きな音がでます。手動でていねいに開閉するのがめんどうな場合は、ソフトクローズ機能付きのタイプを設置するのがおすすめ。ゆっくりドアが閉まるおかげで、音が気にならなくなりますよ。引き戸だけでなく開き扉にもドアクローザーは備わっているので、積極的に設置していきましょう。
二世帯住宅に住み始めてからも配慮は必要
防音対策に力を入れて家づくりをしても、やっぱり生活音はお互いに気になることもあります。もちろん、防音対策をしていない場合よりも騒音を感じることはありません。
予算の問題で十分に防音対策が施せなくても、話し合いで和解できることもあります。物理的な対策も大切ですが、メンタル面もお互いサポートしながら生活すると、よい関係を築けるでしょう。
まとめ
2つの世帯が居心地よく暮らすためにはなにかと配慮が必要です。移住スペースがわけられていても同じ建物内にいる限り生活音は気になってしまうもの。内装材や建具などに防音対策をしたうえで、こだわりのつまった家づくりをしていきましょう。
HAUS365では、建築家と二人三脚になって家づくりに取り組みます。二世帯住宅は2つの世帯の意見を汲み取る必要があるため、ぜひお手伝いさせてください。
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